Brunnstrom recovery stageとは?
上肢、手指、下肢の運動機能の回復段階をstageⅠ~Ⅵの6段階に分けた評価法です。
評価の詳細は以下のようになります。
中枢神経損傷後は
弛緩性麻痺→痙性や連合反応→病的共同運動→病的共同運動から関節運動の分離や独立
すべての患者様、利用者様が上記のような経過を辿るわけではないが、基本的な経過となると言われています。
特徴は?
・複雑な器具を用いず簡潔で行いやすいこと
・短時間で評価可能なこと
・片麻痺の典型的な回復段階を示していること
とにかく、必要な物品がなく、簡単ということですね!!
解釈と活用方法
運動機能の回復段階を示す評価であるが、本質的には「随意運動機能の評価」です。
当然、stageⅠからⅥになるにつれて、随意運動機能は向上しているという解釈となります。
活用方法ですが、これから紹介する二木による早期自立度予想とBrsと歩行能力の関係性が代表的です。
二木による早期自立度予測
予後予測には様々な報告がありますが、やはり代表的なものを紹介すると・・・
二木による早期自立度予測ですね。
二木は入院時の自立度と最終自立度との関連は著しく強いと述べています。
Brsと歩行能力の関係性
こちらは知らない方も多いのではないしょうか?
他にも望月らは体幹機能や非麻痺側機能により歩行能力が変化するとしています。
最近では臨床場面においても体幹機能評価もFACTやTCTなどが使用されています。すでに歩行動作の能力との関連性も発表されているようなので、また、紹介したいと思います。
注意点
・Brsは非常に簡便であるが故に判定基準が不明確な点もある。この問題点を改善するために上田らが12段階片麻痺機能評価法を考案した。
・「stageⅥ」と「麻痺なし」は異なるため、麻痺が軽度である場合はBarre徴候や、Mingazzini試験などを用いる。
完璧な評価などないですよね・・・
それぞれ良い面、悪い面があると思いますので、臨機応変に使用しましょう!
まとめ
Brsは運動機能の回復段階を示す機能とともに随意運動評価でもあるようです。学生時代から習う、王道の運動機能評価です。臨床現場で他のセラピストと患者様、利用者様の情報共有を行うときも「Brs、stage〇~」というだけでなんとなく麻痺の程度をイメージできるのではないでしょうか?
二木による早期自立度予測や望月らによる歩行能力との関係性など予後予測に関連する活用法もありますね。
簡便故に不足している点もあるようなので信頼性、妥当性という点ではもう一つかもしれませんね。おおまかに麻痺の程度を把握するという点で評価してみて、他の「随意運動機能評価」もできるようになっておくといいと思います。