リハビリ検査紹介

FMA(Fugl Meyer Assessment)の運動機能項目ってどう使うの?

そもそもFMAとは?

脳卒中の回復段階や運動機能を観察することが可能な総合的身体機能評価法とされています。

運動機能評価のみでは日常の臨床で問題点を掴みきれないことが多いですよね。脳血管障害による身体機能評価として4項目(上下肢の運動機能、感覚、バランス、ROMおよび関節痛)からなる運動機能評価だけではない包括的な評価となっています。

FMAの上下肢運動項目

今回紹介するのは項目の一部である運動機能項目です!

日本ではBrs(Brunnstrom-recovery-stage)や上田の12段階グレードテストなどが運動機能評価として広く知られていますね。

最近はこれらの他に運動機能評価としてFMAの運動機能項目のみを抜粋して使用することもあるようです。海外の論文や日本の製薬会社も運動機能評価として使用していることもあるようです。

方法

評価の紹介ですが、内容はそう難しくありません。

上肢、下肢ともに各腱反射や共同運動が出現しているか、分離運動が可能かを判断します。

加えて、協調性/スピードも評価にあり、振戦や測定異常がないかも確認します。

あくまでもイメージですが、Brunnstrom-recovery-stageと失調検査を合わせたような検査です。

解釈と活用方法

もちろん、点数が高いほど運動機能は良好で低いほど不良となります。

随意運動障害や失調の要素を含む評価のためそれらの障害が疑われます。

活用方法としては介入による効果判定はもちろんですが、屋内か屋外歩行自立かを判定する目安ともなります。

予後予測

両方のグラフとも横軸が入院時の上下肢FMA運動機能の合計点数、縦軸は左側のグラフで退院時上肢FMA運動機能点数、右側のグラフで退院時下肢FMA運動機能点数となります。

それぞれ、おおよそを推測することは可能ですが退院時上肢FMA運動機能のグラフではバラツキが少なく予測しやすいですね。

注意点

・覚醒不良や認知機能の低下があり、評価ができない項目は合計点数に加算しない

・検査の信頼性を確保するために認知機能の評価も行う。

・課題を1回以上行った場合には最良のパフォーマンスを採用する。

まとめ

FMA運動機能項目は抜粋して使用することでBrsや上田の12段階グレードテストと同様に運動機能評価として活用可能ですね。製薬会社が運動機能評価として使用しており、様々な業界で認められている評価のようです。これまでは「BrsⅣで・・・」と説明していましたが、「FMA下肢が〇〇点で・・・」と説明しても利用者さんをイメージできるといいですね。

また、予後予測も可能であるため、あくまで予測ですが一歩先を把握して介入することも可能です。

ぜひ、みなさんも使用してみて下さい。

ABOUT ME
Brainジョージ
男の子2人のパパ。2014年に理学療法士免許を取得。さらに、2019年には脳卒中認定理学療法士の資格も取得する。病院では、回復期、維持期で主に脳卒中や神経難病の患者さん中心に関わる。現在は訪問看護ステーションで働いており、在宅生活を送る利用者さんの生活をサポートする。リハビリテーションに関わる論文の紹介や理学療法の評価方法の解説、そして神経生理学的な内容に特に焦点を当てた脳機能に関する執筆活動を行っている。趣味はお寺や城巡りで、特に国宝である松江城を推し。