リハビリ検査紹介

TCT(Trunk Control Test)は簡単で歩行の予後予測に最適な評価だ!

TCT(Trunk Control test)とは?

TCTは「非麻痺側への寝返り」「麻痺側への寝返り」「起き上がり」「座位バランス」の4項目で構成される体幹の制御機能検査です。

よく理学療法の論文で目にすることが多いですが、この検査のポイントは「簡便」「時間もかからない」という利点もありながら「予後予測に長けている」という点です。そのため、利用する人も多く、よく目にするのでしょうね。 理学療法ガイドライン第2版でも紹介されています。

解釈

予後予測

項目1で少し触れましたが、この評価は「予後予測」に長けています。

もっと細かく言うと、「脳卒中の急性期」に実施することで力を発揮する評価です。

以下のような報告があります。

退院後の移動手段を考えると病院に入院されている方の目標設定に予後予測は欠かせませんよね。

注意点

麻痺側方向への寝返り動作も評価項目に入っているため、寝返り動作時に麻痺側上肢を巻き込まないか。肩関節のポジションに注意する必要があります。

また、基本動作で検査項目が構成されているため身体機能が高い場合、飽和する可能性がある。

まとめ

体幹の評価としては有名なTCTですが、どうでしょうか。

・TCTは非常に簡便で短時間で可能

・歩行の自立度などの予後予測に長けている

・特に急性期、発症直後に使用するとよい

上記がまとめとなります。

急性期で働かれている人はぜひ使用してみて下さい。また、回復期や生活期で働くスタッフは急性期でどのような評価をしているのかサマリーなどをよく確認してみたらどうでしょう。予後予測のいい情報が手に入るかもしれませんよ。

ABOUT ME
Brainジョージ
男の子2人のパパ。2014年に理学療法士免許を取得。さらに、2019年には脳卒中認定理学療法士の資格も取得する。病院では、回復期、維持期で主に脳卒中や神経難病の患者さん中心に関わる。現在は訪問看護ステーションで働いており、在宅生活を送る利用者さんの生活をサポートする。リハビリテーションに関わる論文の紹介や理学療法の評価方法の解説、そして神経生理学的な内容に特に焦点を当てた脳機能に関する執筆活動を行っている。趣味はお寺や城巡りで、特に国宝である松江城を推し。