運動失調とはどのような症候か?
運動失調は「筋力低下と独立に、随意運動の方向や大きさが変化し、起立平衡維持に必要な持続的随意筋収縮や反射性筋収縮をおかす協調性障害」」とされています。
現在では運動失調というと一般的には小脳性運動失調を表すようです。
また、これら3つの種類に加えて「大脳性運動失調」も文献によっては紹介されています。
小脳性運動失調と似ており、病巣とは反対側の身体に出現します。
運動失調に関してはまた、別の機会に紹介しますので、お待ちくださいね。
SARA(scale for the assessment and rating of ataxia)とは?
基本動作、言語障害、協調検査から構成された8項目、合計40点の運動失調検査です。
運動失調検査には「ICARS」という別の検査がありますが、項目が多く、時間を要するため臨床現場では「SARA」を使用することが多いようです。
方法
SARAの評価用紙は下記の論文に添付されています
↓↓
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/35/6/35_418/_pdf
評価自体は比較的簡便なため、評価表沿えば10分程度で終了します。
まず、指示理解が可能かどうか確認するために言語障害の評価から行うといいでしょう!
上下肢の協調性項目では点数のみではなく、「測定障害」「運動分解」「反復拮抗運動不能」など運動失調のどの要素が障害されているのかも確認するようにしましょう。そうすることでアプローチにも繋がりますね。
解釈
点数が少ないほど運動失調が軽度となります。
また、
歩行自立度やバランス能力との相関が高い
SARAの成績が良好なほど、ADLが高い
予後予測
今のところ決定的な予後予測はないようですね。
注意点
・運動麻痺が重度な場合は純粋な運動失調を抽出することは困難です。その場合、協調性検査項目は除外してもいいとされています。
・継ぎ足立位や歩行課題があるため転倒には配慮する必要がある。
まとめ
今回はSARAを紹介しました。
運動失調も定量的に評価することができるため、変化を客観的に捉えることができますね。
特に協調性障害を評価する項目ではバラバラに習っていた協調性検査を一つのパッケージにしたようでまとまっています。
また、運動失調を呈する患者様、利用者様には歩行自立度や自宅退院目安の指標ともなります。
ぜひ、ご活用ください。