この記事では、理学療法士が学生時代に習うような「歩行周期」や「歩行にまつわる用語」についてまとめています。
理学療法士ではなくても、歩行の介助にあたる介護に携わる方やご家族を介護している方に向けて、なるべく図やイラストなどを用いて分かりやすくまとめていますので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
この記事内容がおススメな方
・理学療法士に興味がある、またはその学生さん
・スポーツ分野や運動に興味があって、歩行に関心のある方
・介護に携わっていて、歩行の介助をする場面がある方
歩行とは?
歩行とは、体重を支えて踏ん張る時期=立脚期(りっきゃくき)と、足を振り出す時期=遊脚期(ゆうきゃくき)の2種類あります。
・立脚期(りっきゃくき)=体重を支えて踏ん張る時期のこと
・遊脚期(ゆうきゃくき)=足を振り出す時期のこと
立脚期(りっきゃくき)の流れ
まずは立脚期から見ていきたいと思います。この立脚期は歩行を介助する場合にとても意識しておきたい部分です。
かかとが地面について、
次いで足のウラ全体が地面について、
グッと踏ん張って体重を支える時期がきて、
地面を蹴り出すためにかかとが地面から離れて、
つま先が地面から離れるところまで・・・
ここまでが立脚期の一連の流れになります。
立脚期がしっかりと安定すれば歩行は自然と安定します。足が弱い方を介助する場合、この弱い側の立脚期に合わせてグッと支える介助をすれば歩行が安定します。
遊脚期(ゆうきゃくき)の流れ
次は遊脚期について見ていきますが、実は遊脚期は非常にシンプルです。
つま先が地面から離れて、
次の1歩のために足を前に振り出す時期がきて、
かかとが地面につくまで・・・
要は、足を前に振り出すという動きのことなので、非常にシンプルかと思われます。
歩行の介助をする際には、足が地面に引っかからないかな?という点に絞って注意していれば安全に歩行の介助を行うことが出来ます。
歩行周期
歩行という動きを分解すると、「立脚期」と「遊脚期」に分けられます。
この立脚期と遊脚期の流れは以下の通りになります。
1.まず、かかとが地面について、
2.次いで足のウラ全体が地面について、
3.グッと踏ん張って体重を支える時期がきて、
4.地面を蹴り出すためにかかとが地面から離れて、
5.つま先が地面から離れて、
6.次の1歩のために足を前に振り出す時期がきて、
7.(はじめに戻り)かかとが地面について・・・
以上を繰り返しながら、歩行(歩く)という動作が行われます。
この立脚期と遊脚期を通した一連の流れのことを、歩行周期と言います。
歩行にまつわる用語紹介
次に、歩行にまつわる用語についてご紹介します。
これを知らなくても歩行の介助などは問題なく行えますが、より深く歩行の特徴を知りたい方や理解を深めたい方はぜひ参考にしてみて下さい。
歩幅(ほはば)=いわゆる1歩のこと。一側のかかとから、振り出した足が地面についたかかとまでの距離のこと。
重複歩距離(ちょうふくほ)=いわゆるストライドと呼ばれるもの。一側のかかとから、同じ側のかかとが次に地面につくまでの距離のこと。単に歩幅の2倍ということではない。
歩隔(ほかく)=左右の足と足の間隔のこと。平均台の上を歩くなど、歩隔が狭くなるとバランスは悪くなり、反対に歩隔が広くなればバランスは安定する。
足角(そくかく)=進行方向に対するつま先の向きのこと。かかとと2-3趾間を結ぶ線が進行方向となす角度で、いわゆる内股歩きやヤンキー歩きではこの角度が変化することになる。
<歩行周期の各時期で使われる用語>
初期接地(Initial Contact、イニシャルコンタクト;以下,IC)
荷重応答期(Lording Response、ローディングレスポンス;以下,LR)
立脚中期(Mid Stance、ミッドスタンス;以下,MSt)
立脚終期(Terminal Stance、ターミナルスタンス;以下,TSt)
前遊脚期(Pre Swing、プレスイング;以下,PSw)
遊脚初期(Initial Swing、イニシャルスイング;以下,ISw)
遊脚中期(Mid Swing、ミッドスイング;以下,MSw)
遊脚終期(Terminal Swing、ターミナルスイング;以下,TSw)
さいごに
いかがだったでしょうか?
普段から歩いているけれど、ほとんど意識したことのない「歩行」について、今回はまとめてみました。
こういった知識から、
・より意識して歩くようになった
・歩行の介助がやりやすくなった
などに繋がれば非常にうれしく思います。
また、歩行に関する以下のような記事もありますので、ぜひ合わせてご覧下さい。