この記事では、
・周りと比べて自分の歩き方が気になる
・正しくキレイに歩くためにはどうしたら良いのか?
・歩き方を客観的に見てアドバイスをもらうにはどうしたら良いのか?
そういった悩みのある方に向けて、
こういった内容についてまとめてみました。
この記事を読めば、歩くということを見つめ直す良いきっかけになると思いますし、今注目されている健康寿命や介護予防にも繋がる内容となっています。
ぜひ最後までご覧ください。
そもそも正しい歩行とは何なのか?
そもそも「正しい歩行」ってどんな歩き方なのでしょうか?
「モデルさんのようにキレイに歩きたい」までは思わなくても、
- 周りと比べて歩くのが遅い
- 無意識だとお尻を振って歩いてしまう
- ガニ股みたいな歩き方が気になる
などなど、
実に様々な悩みが人知れずあったりするかなと思います。
「歩き方」というのは誰かに教わってきたわけではなく、
生まれて物心ついた頃には自然と歩いていたという方がほとんどではないでしょうか?
「歩き方」について専門的なアドバイスをもらうには、リハビリテーション専門職である理学療法士という有資格者がその有力な候補の1つとなります。
理学療法士は動作分析に長けている職業で、その専門課程の勉強の中で「健常な歩行」というものを習います。
このときの健常な歩行の定義は、「いかに安定良く効率的に歩けるかどうか」であり、決してモデルさんのように客観的に見て美しくキレイに歩く、という類のものではありません。ですので、ここからの話はあくまで健常な歩行ということを前提にして書いていきます。
なぜ健常が良いとされるのか?
健常な歩行とは、「いかに安定良く効率的に身体を前に移動させられるか?」が健常な歩行を決める上での基準となります。
ではなぜ健常な歩行が良いとされるのか?
その理由は主に以下の3つとなります。
・エネルギー消費が少ないため、長距離を移動することができる
・物理的、力学的に安定している
・身体の各関節への負担が少ないため、変形や痛みが起こりにくい
このような点において、健常の歩行が良いとされていて、それを基準にして1人1人の歩き方がどう異なっているのか?について考えることになります。
健常と呼ばれる歩行の周期や動き
歩行の一連の流れは上記の図の通りで、
・体重がかかって踏ん張る時期
・足が地面を離れて前に振り出す時期
この2つに分かれます。
健常な歩行は「いかに安定良く効率的に歩けるか」ということでしたが、
安定が良いためには、様々な筋肉の機能でコントロールし、
効率的に歩くためには、重心移動がなるべく少なくて済む、
という動きになります。
https://arukunpo.com/category/aruku-function/
(*詳細は別記事であるこちらをご覧ください)
しかしながら、多くの方はこのような教科書的な健常な歩行をしているわけではありません。むしろ健常な歩行とは異なる動きをしている人の方が多く見受けられます。
歩き方を直したいという、そもそもの理由は何なのか?
健常の歩行が「安定が良くて効率が良い」ということは分かりましたが、多くの方がこの安定して効率の良い歩行とは異なる歩き方をしている場合が多くみられます。
歩き方というのは人それぞれ実に様々であり、一概に「良い」とか「悪い」とかを決められるものではありません。
何を基準にするかによって異なります。
例えば、アフリカの乾燥地帯で生活している民族では、あえて膝を深く曲げて歩くという歩き方が標準とされています。この環境下で生きていくためには、身を潜めて敵に見つからないようにすることがとても重要であり、先に述べた健常の歩行(安定していて効率の良い歩き方)とはかけ離れています。
よって結論としては、周りの状況と自分の目的によって歩き方は人それぞれで構わない、ということになります。
歩き方を直したい理由は何なのか?、モデルを目指しているのか、早く歩くことを目指しているのか、転倒しないように歩くことを目指しているのか、
その理由が人それぞれ異なるため、どのような歩き方が良いのか悪いのかという判断も、個々によって違うということになります。
目標を明確にしよう!!
現代の日本では平均寿命が年々と増して、超高齢社会を迎えることとなっています。その中で生まれた言葉として、健康寿命(=元気に動ける状態の年齢)やフレイル・介護予防(要介護の状態にならないようにしっかりと予防することが重要)が挙げられます。
たしかに、たとえ長生きが出来たとしても元気で自由に動けないとあまり意味がありません。
では健康寿命やフレイル・介護予防に必要なのは何なのでしょうか?
認知症にならないように脳トレをするとか、歯の健康を維持してしっかりと食べるようにするとか、
そういった様々な要素がありますが、その中の1つとして歩行ももちろん挙げられています。
歩行に関して言えば、
・歩行速度が0.7m/s未満では転倒しやすい
・歩幅が短くなる小刻み歩行ではパーキンソン病などの疾病が疑われる
・疲れやすく長距離/長時間連続で歩くのが大変になってきた
健康寿命や介護予防に繋がる指標が設けられていて、この数字と自分の歩行速度や歩幅などを比べて歩く機能自体が劣っていないかどうかをチェックすることが出来ます。
1人1人の人生のイベントは様々で、自分自身の歩く速度や距離、歩き方なども1人1人個別に目標が異なるものと思われます。
周りは関係なく、自分自身の目標をきちんと定めることがとても重要です。
そういった歩行に関して気軽に相談できる場所(=まちの歩行分析室ARUKU)が、広島県福山市東部に新しく出来ました。
まちの歩行分析室ARUKUとは?
特定非営利活動法人Re Stepが運営する、まちの歩行分析室ARUKU。
2022年初夏にオープン予定で、実際の店舗を構えたサービスとなります。(*今後は出張サービスも展開するかも)
リハビリテーションを提供する理学療法士は、病気やけがなどをしない限り、なかなか普段接することのない職種だと思いますが、
このまちの歩行分析室ARUKUに来れば、誰でも気軽に相談することが出来ます。
歩行分析というと硬いイメージを持たれがちですが、
・超低床型トレッドミル機器の上で歩き、(地面に近いから恐怖感が無い)
・簡易的な歩行解析機器を腰につけて、
・後ろと横から歩く姿を動画撮影するだけ
その撮影直後に理学療法士がその歩き方を分析し、歩行の特徴を説明します。
もちろん、ここの筋肉が弱いからこういうトレーニングをしましょう、とか
この関節に負担がかかりやすいからしっかりとケアしましょう、とか
そういったアドバイスも含めたサービスとなります。
そういった意味で、今まさに話題になっている健康寿命や介護予防に力を入れていると言えます。