今回は、まちの歩行分析室ARUKUを運営するにあたって、私たちが大事にしている理念について、ご紹介していきたいと思います。
全部で5つあります。(今回は前半として、そのうちの2つを紹介します)
理学療法士の専門性が動作(歩行)分析であることを、社会に向けてアピールする
・理学療法士という名前自体は世間一般に広まってきたように感じますが、ではその理学療法士はいったい何をしてくれる人なのか?このあたりがまだ曖昧になっている印象があります。
・リハビリをしてくれる人だよ!と言われたりもしますが、ではそのリハビリってどんなことをするの?となると、これまた曖昧な感じがあります。
・マッサージをしたり、関節を動かしたり、筋力トレーニングをしたり、ホットパックや電気を当てたり、歩く練習をしたり、などなど、実に様々なイメージをもたれているかと思います。
・昔からリハビリになじみのある方は、腰をひっぱって、電気を当てて、毎日リハビリに通っていた、という方もいれば、
・平行棒というところで立ったり歩く練習をしたり、装具をつけて歩いたり、というイメージのある方も多いと思われます。
・様々な解釈があって全然構わないとは思いますが、私が思う、理学療法士の専門性は何か?と一言で答えるならば、それは「動作分析」ということになるのではないかと思います。
・動作とは?寝返り、起き上がり、立ち上がり、歩行などが基本動作と言われるものであり、どうすれば安全に、効率良く、快適に行えるのか?こういった部分をひとつひとつ紐解いていく作業が、動作分析と呼ばれるものです。
・この動作分析を行うために必要なのが、筋肉や関節の知識であり、運動学や物理学などの知識であり、杖や歩行器や装具などの知識となってくるのではないかと考えます。
・はじめに戻ると、理学療法士はリハビリを行う専門家ではあるものの、その本質はリハビリではなく動作分析であって、身体に障がいのある方だけではなく、介護や障がいの予防といった分野にも活躍する場はあると思っています。
理学療法士との関わりは病気になってリハビリを受けてからではなく、普段から身近な存在として関われるようにしておく
・リハビリテーションとは、主には社会参加と訳されて、元の状態に戻れるようにしていくもの、という意味合いがあると言われています。
・理学療法士はリハビリテーションの専門職の一角を担っていますが、活躍できる分野は何もリハビリテーション分野に限らないと思っています。
・2010年代後半に理学療法士協会は医師の指示に基づかなくても理学療法士が働ける場所として、総合事業の中の地域リハビリテーション活動支援事業という枠組みの中で活躍出来るように動いてくれました。
・何やら難しい言葉が並びますが、要は、主に軽度者(比較的まだまだ動ける方)を対象とした介護予防の分野においては医師の指示が無くても理学療法を提供できる、ということです。
・医療費や介護費を抑えたい社会背景もあって、予防医学や予防介護が注目されるようになって、「フレイル」とか「健康寿命」とかも言われるようになってきました。このあたりの言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか?
・まちの歩行分析室ARUKUのサービス自体も、このフレイル予防や健康寿命の延伸に対して非常に関わりがあります。理学療法士が、地域の中で皆さんと身近に関われる場所の1つとして、まちの歩行分析室ARUKUがあります。
・名前にもあるように、「まちの」という言葉を使っているのはまさにこのためで、理学療法士が普段から地域の中で関わりやすい存在になれるように、このまちの歩行分析室ARUKUをつくるにいたりました。
前半はここまで。
今回は、まちの歩行分析室ARUKUを運営するにあたって、私たちが大事にしている理念について、5つある中の2つについて紹介してみました。
後半部分については、
- ARUKUのサービスに対しての理念とか、
- 理学療法士の質を高める思いとか、
そういった部分について触れておりますので、良ければご覧ください。