関節の働き

足の機能~内側縦アーチについて~

内側縦アーチ

  • 内側縦アーチとは?
  • 内側縦アーチの機能
  • 偏平足

内側縦アーチとは?=いわゆる「土踏まず」のこと

足の機能で重要となる内側縦アーチですが、いわゆる「土踏まず」のことで、実際の場所はこんな感じ。

地面に立った時に、足の内側あたりがちょうど地面から浮いた状態になっている部分を、内側縦アーチ(土踏まず)と言います。

これが無い状態、つまり足の裏がすべて地面にペタッとついてしまうと、いわゆる偏平足(へんぺいそく)となります。

では、なぜこの内側縦アーチ(土踏まず)があるのか?
また、内側縦アーチ(土踏まず)が無くて偏平足では何に困るのか?ということをこのあと書いていきたいと思います。

内側縦アーチの機能

内側縦アーチ

上記の図のように、内側縦アーチは黄色のラインで書いた部分となり、①~⑤の骨の並びで成り立っています。
①踵骨(しょうこつ)
②距骨(きょこつ)
③舟状骨(しゅうじょうこつ)
④内側楔状骨(ないそくけつじょうこつ)
⑤第1中足骨(ちゅうそくこつ)

③舟状骨の位置がこの内側縦アーチの頂点となるため、理学療法士はこの舟状骨を触ってアーチの高低を評価します。

舟状骨の位置が低いと、内側縦アーチは機能しにくく、

舟状骨の位置が高いと、内側縦アーチは機能している、

ということになります。
(*舟状骨の位置が高く、足の裏が硬い状態であれば凹足と呼ばれ、内側縦アーチの機能は十分に働きません。)

この舟状骨の位置を決めるのが、主に以下の2つの筋肉が発達しているか?によります。

それが長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)と、後脛骨筋(こうけいこつきん)です。

主にはこの筋肉が発達して内側縦アーチを形成し、以下のような役割を果たします。

①衝撃緩和作用
=歩いたり走ったり、ジャンプしたりしたときの、着地の瞬間にその衝撃を和らげる作用があります。
*偏平足ではこの作用が弱まるため、衝撃を他の関節(膝や股関節や腰など)で受け止めることになります。膝や腰などが痛くなることも。

②エネルギー蓄積機能
=歩いたり走ったり、ジャンプするときに、しっかりと地面を蹴りだすためのエネルギーを蓄積する作用があります。
*偏平足であっても地面を蹴りだすことは可能ですが、エネルギー効率が良くないということになります。

偏平足を予防するためのトレーニング方法

内側縦アーチ(土踏まず)が無くても、歩いたり走ったり、ジャンプしたりすることは出来ますが、その効率が悪かったり、他の関節により負担をかけたりすることになるのです。

その結果として、外反母趾を代表とした足の変形へと繋がります。

外反母趾は、足の親趾が曲がってしまう変形のことですが、やはりこれを予防するには内側縦アーチを形成する、つまり上記の長母趾屈筋と後脛骨筋を鍛えることがすごく重要になります。

以下のような運動が主に有効と言われています。

↑自分の手指を足指のあいだに入れて、足指の間隔を広げるようにしておく。

この時点で痛みが出る場合は、まずはお風呂に浸かった際にゆっくりと足の指を1本ずつ広げていくところから始めましょう。

そして、その後に自分で足の指を曲げたり伸ばしたり、これをひたすら繰り返します。
100回とか200回とか、それくらい繰り返します。
そして、それを最低でも1週間は継続します。

まずはお風呂のお湯に浸かった中で始めて、その後はタオルを足の指でたぐり寄せてみたり、新聞紙をちぎってみたり、ビー玉をつかんでみたり。

↑床に広げたタオルを足指だけで手前に手繰り寄せる

足の指でじゃんけんなんか自在に出来れば言うことなしです。

↑足指だけでじゃんけんする

気になる方は意識してやってみるようにしましょう。

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リハビリ相談室
NPO Re Stepが運営するリハビリ相談室。 地域でリハビリテーションに関するアドバイスを行うほか、理学療法士の副業や転職サポートも実施。