筋肉の働き

身体で一番大きな筋肉~大腿四頭筋の機能~

この記事では、「歩く」際に重要な様々な機能のうち、筋に関することを紹介する記事となっています。

専門的な難しい内容ではなく、トレーニングに興味のある方やPTの学生さんなど、一般の方でも分かりやすく理解できるように努めています。

そういった観点から表現の仕方を工夫していますので、より専門的な方からのご指摘・ご批判は承っておりませんのであしからずご了承ください。

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)って、どんな筋肉?

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は、太ももの前側にある大きな筋肉のグループです。名前の通り、「四つの筋肉」が集まってできています。

どんな筋肉があるの?

大腿四頭筋は、次の4つの筋肉でできています:

大腿直筋(だいたいちょっきん):太ももの真ん中を通り、股関節と膝関節の両方を動かします。

中間広筋(ちゅうかんこうきん):大腿直筋の下にある、深い部分の筋肉です。

外側広筋(がいそくこうきん):太ももの外側にあり、脚をたくましく見せる筋肉です。

内側広筋(ないそくこうきん):太ももの内側にあり、特に膝の安定性に関わっています。

どんな働きをしているの?

大腿四頭筋は、主に「膝を伸ばす」働きがあります。たとえばこんな動作で使われています:

椅子から立ち上がる

階段をのぼる

ジャンプやキックをする

歩く中での機能

歩く中で、どんな働きがあるか?

歩く中では、足全体が地面に着いて踏ん張る時期(立脚期)に重要な働きをします。

青い線で囲った時期(荷重応答期~立脚中期)に大腿四頭筋は働きます。
この際の働きとしてはいわゆる「足接地時の衝撃を和らげる作用」となります。
体重を支える筋肉ですので、とても大きく分厚い形になります。

また、大腿直筋は股関節も動かすので、足を前に振り出す動きにも関係しています。

足を前に運ぶのに、実はそんなに筋肉の力は必要ありません。
大腿四頭筋が働くのは「足が勢いよく前に出すぎてしまうことを制動する作用」になります。
ブレーキをかけて足のつく位置を調整するようなイメージです。

この筋肉が働かなくなると、歩くときにどうなる?

ズバリ、膝や股関節の動きがカクカクして歩行スピードが低下します。

より専門的に言えば、
立脚相では「膝折れ」もしくは「反張膝」が生じ、
遊脚相では「分回し様の骨盤挙上を伴う振り出し」が生じます。

詳しく知りたい方はぜひこちらの記事を読んでみて下さい。

主なトレーニング方法やサポーター用品

トレーニングにはどう活かせる?

スクワットやレッグエクステンションなどでよく使われる筋肉です。初心者から上級者まで、効果的に鍛えることができます。

【初心者におすすめ】レッグエクステンションマシン

【自重トレーニング】スクワット、ウォールシット など

膝の安定性を高め、ケガの予防にもつながるため、日常生活やスポーツパフォーマンスを向上させたい方には特に大切な筋肉です。

🦵大腿四頭筋の低下・麻痺で使われる主なサポーター・装具

① 膝関節を安定させるタイプ(軽度の筋力低下向け)

こんな人におすすめ:

  • 少し膝が不安定だけど、自力で歩ける
  • 階段や坂道に不安がある

代表的な用品:

  • 膝サポーター(ソフトサポートタイプ)
     ⇒ 膝周りを軽く圧迫して安定感を補う。ドラッグストアやスポーツ用品店でも購入可能。
  • 膝サポーター(ヒンジ付き)
     ⇒ 横ブレや過伸展(膝が伸びすぎる)を防ぐ。大腿四頭筋の支えが弱いときに効果的。

② 膝折れ(膝崩れ)を防ぐタイプ(中等度〜重度の筋力低下)

こんな人におすすめ:

  • 歩行中に膝が突然ガクッと折れる
  • 麻痺があり膝を自力でしっかり伸ばせない

代表的な用品:

  • 膝装具(KAFO・Knee-Ankle-Foot Orthosis)
     ⇒ 膝から足首までを固定する長下肢装具。膝折れを完全に防ぐことができる。
  • ロック付き膝装具
     ⇒ 立位時は膝を固定し、座るときはロック解除できるタイプ。装着に慣れると歩行が楽になる。

③ 歩行補助と膝安定の組み合わせ

こんな人におすすめ:

  • 膝の安定性に加えてバランスにも不安がある
  • 大腿四頭筋麻痺があり、歩くのが怖い

代表的な用品:

  • 歩行器やロフストランド杖+膝サポーターの併用
     ⇒ 両手を使って体重を分散しつつ、膝はサポーターで守る。
  • 免荷式歩行器(部分的に体重を支えてくれる)
     ⇒ リハビリの初期段階に使用されることも。

🛒 購入先の例

  • 医療用品店(オーダーメイドの装具も可)
  • 通販(Amazon・楽天・オオサキメディカルなど)
  • 理学療法士・医師の処方で義肢装具士に依頼(装具作成)

👩‍⚕️注意点

  • サポーターは万能ではありません。筋力回復やリハビリのサポートとして使用するのが基本です。
  • 長時間の使用や過信は、逆に筋力低下を招くこともあります。
  • 理学療法士や整形外科医と相談して、目的に合ったものを選びましょう。

いかがだったでしょうか?
大腿四頭筋について、専門的な難しい内容ではなく、トレーニングに興味のある方やPTの学生さんなど、一般の方でも分かりやすく理解できるように意識してまとめてみました!

少しでも参考になれれば幸いです。

ABOUT ME
ARUKU室長
大阪府出身。理学療法士、会社経営。2007年に理学療法士国家資格を取得後、急性期・回復期・生活期でのリハビリテーション・理学療法の経験を経て現在に至る。「ARUKU=歩く」姿勢や動作の分析を得意とし、さらに一歩進める/もう一度一歩進むための、医療や介護に関する様々な活動を実践中。高齢者や障がい者の方々が「社会参加」しやすい世の中になるため、リハビリ・看護・介護の総合情報サイトを立ち上げ多種多様なブロガーとともに多岐にわたる分野の記事を執筆中!